恵まれない子供達という言葉で連想する国として、多くの人がアフリカを上げることでしょう。
これを一種の偏見と見る人も増えてきましたが残念ながら依然として貧困が蔓延しているのも事実です。
確かに南アフリカ共和国では先進国並みの高層ビルも建築され、オフィス街も充実しつつあります。
その反面で極めて厳しい状況に立たされている国も少なくありません。
最も貧困にあえいでいる国を5つあげるとすれば、そのうち4つはアフリカ大陸の国が占めているのです。
ユニセフなど支援の手が何十年と差し伸べられているにもかかわらず一向に変わらないのは何故なのでしょうか。
それは貧困をもたらしている複合的な理由が存在し、それぞれに解決し難い事情が絡んでいるからです。
まずは世情が不安定であり堅実な生活基盤を構築できないことが大きな要因といえます。
内戦や部族間の争いが長期に及んでいる地域も珍しくありません。
ソマリアでは過激な宗教系テロリストが加わり、事態の混迷化に拍車をかけています。
治安が悪ければ財産を維持することもままならないでしょう。
常に戦争状態であれば商取引が成り立つはずもありません。
経済的に自立しようがないため、いつまでも海外からの支援に頼らざるを得なくなります。
日本ではほとんど報道されることはありませんが、アフリカは今もなお戦火に苦しんでいる大陸だと日本ユニセフ協会は警鐘を鳴らしています。
※日本ユニセフ協会 UNICEFJapanNatCom – YouTubeより
難民キャンプを転々としている生活がもたらす影響
不安定な世情による経済基盤の崩壊は教育にも暗い影を落としています。
難民キャンプを転々としている生活では、腰を据えて教育を受けることもできません。
基礎教育を受けられなければ大学などに進学することも不可能です。
それは階級の固定化を招き、親だけではなく子供や孫の代まで不自由な生活を送らざるを得なくなります。
大陸内の先進国で充実した仕事を持っている人はほぼ例外なく高等教育を受けている人です。
難民キャンプで教育支援を行うNPOも増えてきましたが、十分な数を確保するには至っていません。
単にお金や食料を送るだけではカバーできない、根深い貧困が大陸内に横たわっています。
それでも過去に明るい兆しが無かったわけではありません。
たとえばノーベル平和賞も受賞したマンデラ大統領などは、日本でも大変有名です。
写真/https://matome.naver.jp/odai/2138628118829047201
ただ卓越した指導者がいる一方で私腹を肥やすことしか頭に無い為政者が多いことも悲しい現実に他なりません。
こうした人物に率いられた国は悲惨の一言です。
たとえ莫大な額にのぼる資金や支援物資を送っても、本当に必要な人に渡ることはありません。
ほとんどは為政者や役人の懐に入り、ひたすら私財を増やすことのみに使われています。
真心の支援を悪用する人間の中にはアフリカは永久に貧困であるべきと言い放つ者さえ珍しくありません。
そうすれば永久的に支援金が入ってきて、無限に財産を積み上げることができるからです。
子供達への息の長いケアに尽力し続けること
一方で栄養状態や衛生環境が悪いために病気に罹患したり、治らないまま亡くなっていく人も後を絶ちません。
こんな状況下で長らく暮らしていいると生命への価値も低くなってしまいます。
死亡事故に対する賠償金も驚くほど低く、見えない形で人間の尊厳が侵害され続けている状況です。
不安定な世情から始まり生命の軽視にまで至るループは途切れることなく今日も大陸上に渦巻いています。
この悪循環を断ち切る術こそが、今最も求められているものといえるでしょう。
具体的には子供達への息の長いケアに尽きます。
難民キャンプに暮らしていようとも質の高い教育を維持することが、現状を打開する確かな道程です。
自分で考える力が身につけば悪人に騙されるようなことも少なくなります。
自然に為政者達に対する見方も厳しくなり、政体を適切な方向へと導くことも可能になるでしょう。
何より自分がかけがえのない人物であることを自覚してこそ他人にも優しくなれるというものです。
荒廃した環境は偶然発生したものではなく、人の心の表れといえます。
日本ユニセフはじめ私たち個人でもできること
単に支援を受ける一方だったアフリカ各国も国際的な地位が高まるようになりました。
これは支援が着実に効果をあげている証といえます。
国連では議題が多数決によって決まるために、小さな国でも無視できない状況になりつつあります。
一例として中国が小国へのアプローチを強めていることは注目するべきでしょう。
こうした流れに日本が取り残されることは、道義的だけでなく将来的にも大きな禍根を残しかねません。
義務教育という確かな実績があるだけに学びを提供するということは今後さらに検討されるべきです。
それに加えて何をするにもお金が必要になります。
かつては終戦直後は支援を受ける立場にあり、子供達へもミルクや医薬品が提供されてきました。
そこから復興が始まり高度成長に進んだことを考えれば支援が無駄などとは言えないはずです。
無理をする必要はありませんが、できる範囲内で手を差し伸べることを考えるべきでしょう。
そうして過去の日本のように貧困が解消されれば絶好の前例となり希望を世界中へ送ることに繋がります。
最終更新日 2025年5月20日 by lesmed