幼稚園と保育園について考える
小学校就学前のに乳幼児が通うところに幼稚園と保育園があります。
幼稚園は小学校と同じ文部科学省の管轄で幼稚園教諭の免許を有する先生が集団生活において社会性や協調性を養い、また音楽リズム、運動、図画工作などによる情操教育が行われるところで、対象となるのは3歳以上の幼児です。
一方保育園は厚生労働省の管轄で、保育士の資格を取得した先生が乳幼児の生活全般の世話をしながら成長を見守り、集団生活の基礎や社会性も学べるところで対象となるのは0歳の赤ちゃんから小学校入学前までです。
幼稚園における集団生活の目的は「幼児の心身の発達を助長すること」で指針やカリキュラムは学校教育法をもとに定められ、保育園は「保育に欠ける乳幼児の保育をすること」が目的で児童福祉法が元となりカリキュラムや指針が定められますが、どちらも公立の場合はそれぞれの自治体で定められていて、民間の場合はそれぞれの園によって特徴を持たせています。
「保育に欠ける」というのは保護者が就労をしていたり、病気だったりなどの理由で乳幼児の保育が十分に行き届かない場合に保育士に保育を委託して子どもを預けるところです。
最近は女性の社会進出が推進され、小さな子供がいても働ける職場環境が設定されていたり、家庭内の経済状況などによって共働き家庭が増えているので、保育園に入園希望の家庭がとても多く、以前のように共働き家庭の子どもたちはみな入園できるというものではなくなり、待機児童問題が全国の課題となっています。
入園希望の子どもたちの人数が保育施設の定員を上回り、入園できず保護者の就労の機会を逃してしまうことが多くなっているので、早急に保育施設を増やしたり歩いう串の採用を増やしたり各自治体が対応に追われている状態です。
「子ども園」という保育施設も増えてきている
幼稚園でも子どもたちを預かって一日の数時間をそこで過ごすので、保護者は短時間なら働くことができますが、14時くらいまで、週に1日程度は12時ごろ降園するということもあるので、子どもを幼稚園に通わせて働くということは困難です。
そのため圧倒的に保育所に入園希望の家庭が多く、幼稚園への入園希望者が減少している状態なのですが、最近は幼保一元化でどちらの機能も兼ね添えた「子ども園」という保育施設も増えてきています。
また民間の幼稚園では延長保育を行い保護者が仕事から帰ってくるまで預かるというシステムを採用するところも増えています。
保育園は子どもたちにとって生活の場です。
0歳児なら保育士におむつを変えてもらったりミルクを飲ませてもらったり、寝かせてもらったりし、トイレトレーニングなども保護者と協力しながら行います。
またまだ歩けない赤ちゃんでも年齢や発達に応じた遊びをさせながら見守ります。
少し大きくなると他の子どもたちとの関わりを持ちはじめ、おもちゃの取り合いなどでトラブルになることが多くなりますがそれらの対応も保育士が行い、少しづつ社会性や協調性を養っていきます。
3歳、4歳と成長するにつれ子どもたち同士様々な遊びを行うようになり、遊びを通じて様々なことを学べるよう保育士はサポートします。
また折り紙やお絵かき、工作などをしたり、絵本を見たり聞いたりするなどの情操教育も遊びの中から身に付けていき、小学校入学までの時期を過ごします。
幼稚園よりも保育所の方が費用が掛かる
保育園所ではこのように保護者に代わって子どもの生活をサポートして見守り、子どもたちは遊びを通じて集団生活の基礎や社会性を身に付けていき、幼稚園の場合は情操教育や学校教育の基礎を学びながら集団生活や社会性を身に付けてきます。
かといって保育所は遊んでばかり、幼稚園は教育を受けてばかりというのではなく、どちらも子供たちの年齢や月齢、発達段階に応じた対応を行っているので小学校に入学して何らかの差が出るということは特にありません。
保育所は0歳の乳児から入所対象になっていて0歳児の場合は3人にひとりの保育士、1歳なら6人に1人と定められていて、入所児童数によって保育士の配置も変わってきます。
また保育時間も長時間であることから幼稚園よりも保育所の方が費用が掛かります。
特に0歳から2歳までの乳幼児は高額な保育料が掛かってきますが、世帯収入や公立、私立などによっても異なります。
子どもが生まれたらどちらを選ぶかは悩むところですが、それぞれの家庭状況によって異なり、まず子どもが「保育に欠ける」環境であれば保育所に、保護者が子どもの世話をできる環境であれば幼稚園をえらび、その中で殿施設を選ぶかは体験入園などに行って園の様子や先生方の対応などを見聞きし、自分と子供に合ったところを選ぶとよいでしょう。
しかし待機児童が多く、なかなか保育所に入ることができない今は、共働き家庭などで「保育に欠ける」ことが分かっていれば生まれる前から保育所を探し、早いうちに入所ができそうなところを確保する工夫をする保護者がたくさんいて、「保活」という言葉も生まれました。
最終更新日 2025年5月20日 by lesmed