UNICEFは国連児童基金のことで、世界中のすべての子どもの命と様々な権利を守るために特に支援の届きにくい子どもを優先に活動しています。
具体的には保健や栄養面での支援、十分な教育を受けさせることや暴力などからの保護、さらにはエイズや緊急支援など多岐にわたります。
これにかかる資金は個人や企業、政府からの募金や任意拠出金でまかなわれています。
テレビコマーシャルで知ったユニセフの存在
私もテレビでUNICEFのコマーシャルでアフリカの子どもが貧困で困っている、というものを見たことがあるのですがこのような周知活動によりさらなる支援を期待できると感じました。
事実、私自身もこのコマーシャルをきっかけに募金を積極的に行うようになり、それまでは全く気が付かなかったのですが近所のスーパーマーケットで募金活動を行っていることを知り、余裕があれば募金するようにしています。
現在ではツイッターをはじめとしたSNSで情報が一瞬にして世界中を駆け巡るようになりましたので、これらを活用して支援を呼びかけることも大切なのではないでしょうか。
ユニセフの歴史
そもそもUNICEFは、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか。
そのきっかけは、第二次世界大戦にあります。
世界中を巻き込む戦争で、兵士はもちろんその家族や侵略を受ける国の人々が困窮を極めていました。
戦後、国々は復興を目指し動いてきましたがその一方で特に未来ある子どもを支援するための機関が必要だと考えられ、食べ物や衣類などの物資を届けるために1946年12月に設立が採択されました。
本部はニューヨークですが、世界各国に事務所や研究所などが存在し東京にも窓口が設立されています。
敗戦国である日本には特に手厚い支援が行われ、主に給食用の脱脂粉乳や衣服を作るための原材料、さらには医療品などが提供されています。
1964年に東京オリンピックが行われましたが、この年まで15年にわたり支援が続けられたのです。
1950年代に入ると、大方の国々が立ち直りUNICEFはその役目を終えたのではないかと言われましたが、アフリカなどの途上国では依然として貧困や病気に苦しんでいることが指摘され主に途上国支援を最優先事項に置かれました。
1953年には一時的な組織ではなく、永久的な機関として存続することが決定され今後も子どもを支援することになります。
1960年代以前はこれまで主に子どもの衛生保健分野に重点を置いて支援が行われてきましたが、それ以降は教育面での支援が行われるようになりました。
例えば、学校を卒業して使わなくなった鍵盤ハーモニカやリコーダー、あるいは教科書など使い道のなくなった用具を貧困国に提供する活動が活発に行われたのです。
私も中学卒業時に、不要になった楽器を提供するよう勧められたことがあります。
その当時は思い出だから大切に取っておきたいと思い、提供はしなかったのですが今では提供すれば良かったと後悔しています。
今後は、簡単に捨てるのではなく何かほかに使い道がないかしっかりと考えるようにしたいです。
1965年にノーベル平和賞を受賞
1965年はUNICEFにとって大きな年になりました。
なぜなら、ノーベル平和賞を受賞したからです。
これにより、それまで行ってきた活動が平和のためであることが世界中に認められその存在意義の大きさが認知された年でもありました。
これ以降も様々な活動を行っています。
1982年には子どもの生存革命を打ち出し成長観察や経口補水療法、母乳育児や予防接種など安く実現可能な支援によって子どもの死亡数を大きく削減することに成功 したのです。とは言っても、アフリカでは依然として子どもの平均寿命が短いという事実がありました。
特に、ただでさえ満足に食糧のない地域で発生した飢饉により何日も何も口にできない子どもが大量に存在していました。
これには世界各国が協力して支援を行うことを呼びかけたことで、十分ではないものの食糧を届けることになったのです。
まとめ
20世紀末には各国で紛争が起こり、過去の戦争のように兵士ではない子どもも巻き添えになるのではないかと言われていましたが、UNICEFをはじめ国連の機関が一致団結して対応に当たったことでそこまで大きな困窮は生まれずに済みました。
それからは子どもの権利を高めていくための条約が採択されるなど平和な時期が続きましたが、2004年に発生したスマトラ島沖地震や津波で何十万という人々が犠牲になりましたが物資の支援や、学校建設など様々な角度からの取り組みが行われたのです。
近年では親の子どもに対する暴力が問題となっているため、持続可能な開発目標の中に子どもへの暴力の撤廃が焦点となり議論が活発に交わされました。
今後、過去のような戦争が起こることは少ないと言われているため、活動の焦点は物資支援だけでなく子どもを周囲の人間から如何にして守るかに移るのではないでしょうか。
いずれにせよ、私たちは世界中で困っている子どもが数えきれないほど存在することを認識することが大切なのです。
最終更新日 2025年5月20日 by lesmed